天然のみで作るお香のデメリットを3つ紹介します

オーダーメイドお香をやっていると、

たまに天然のものだけでお香を作って欲しいというオーダーがきます。

 

おそらく僕が個人で行っている、

また天然の香原料を基本としお香作りを行っている所もありからだと思います。

 

天然の自然物のみで作られたお香。

なんか響きが良いですよね。

 

ただ、天然だからと言って良いことだけではありません。

もちろんデメリットの部分もあります。

というか、デメリットの方がオーダーする方にとっては、

大きい障壁になるかと思います。(特に商売でやろうとしている方は。)

 

そこについてお話ししようと思います。

天然、自然物で作るものこそ、良いものができる。

と思っている人は是非読まれて下さい。

天然、自然物によるデメリット

まず前提として言えることは、歴史の流れで言うと、

天然のものに不満があるから、化学的なもので代用している。

ということです。

 

これが基本的な世の中の流れです。

まず天然物があり、それに不満があるから化学にいっています。

 

つまり、化学的な物は化学的になる理由があり、

天然物にはさけられる理由があるのです。

ですので、天然こそ1番!というのには誤りがあります。

 

それを念頭に置いてデメリットの理由を

見て頂ければと思います。

 

天然、自然物で作るお香のデメリットとしては、

主に以下のものがあげられます。

1.香りが弱い

2.費用が高い

3.地味

 


順番にご説明していきたいと思います。

1.香りが弱い

天然のものをご希望の方であまり意識されていないことなのですが、

天然の香料というのは物にもよりますが、基本化学的な香料と比べ、

香りが弱くなっています。

その理由は天然だからです。天然だからこそ、香りが自然であり弱いのです。

 

市販で売られているお香で、天然のみのお香は、

ほぼほぼありません。

天然の香原料「のみ」使用と書かれていない場合は

化学的なものが入っていると思って頂ければと思います。

 

意識して探して見つかる程度ですので、

普通に過ごしている範囲で売られていることはほぼありません。

 

焚く前からお香を嗅いで、お香の匂いがするようであれば、

化学的なものが入っている可能性が高いです。

 

そういうこともあり、一般的に思われている

天然のお香の香りと、実際の天然のお香の香りと乖離があります。

 

市販で売られているお香みたいなのが、

天然でもできると思われているからです。

 

またこれもよくある話しですが、

天然物でお香の原料に使えるのには限りがあります。

全ての天然物が原料になるとは言えません。

 

例えば、いちご、コーヒー、金木犀などは、

天然の香料はなく(あってもごく僅か)、

ほぼ化学的な香料でその香りに似たものが作られています。

 

そのため、天然のお香に拘る場合、

作れる香りは限定されるということです。

 

これも天然であるがゆえに、

香りが弱い、持続しないとして、使えないと言えたりします。

 

2.費用が高い

天然のものは化学的なものよりも費用が高くなります。

天然ゆえに手間暇がかかっていたり、希少性があったりするからです。

 

他にも上記で述べたように、香りが弱いため、

一般的なお香のイメージに近づけようと思うと、

化学的な香料に比べ、量が必要になってきます。

 

ここらへんは料理にも近いものがあると思います。

ファーストフードのようなジャンキーなものは、味が濃く安い。

逆に天然のものは、味が優しい感じで高い。

 

そんな感じのことが、お香の世界でも言えたりします。

一般的にファーストフードのようなものが、お香の世界で溢れています。

それは趣味嗜好のものですので、良い悪いはありません。

ファーストフードのようなお香の方が売れるから、溢れているといえます。

 

ただ、それがお香だと思われているのはやや誤解があり、

価格も市販のお香(1000円~2000円)ぐらいが、

相場だと思われがちですが、それも誤りです。

 

化学的な香料で大量生産した場合、1000円~2000円

ぐらいなだけで、天然香料ましてやオーダーメイドとなると値段が高くなります。

 

3.地味

市販のお香には色がつけられて販売されていますが、

これは化学的な染料を使い色がつけられています。

 

ですので天然のお香となると、

茶色か黒色、もしくはその2色の間の色になります。

 

上記の色味以外で天然のお香はありません。

 

オーダーメイドを行っていると、

香りにより色付けしてほしいと頼まれることがありますが、

天然のみをご希望される方はそれができなくなります。

 

茶色か黒、もしくはその間の色。

になります。

 

天然のみのお香を拘れる場合は、

カラーバリエーションが無いと思って頂ければと思います。

 

以上天然、自然物のお香の主なデメリットでした。

 

まとめ

天然の香料は、天然でありがゆえに出来ないことや、

理想のものにならなかったりします。

 

ただ、それこそが自然物とも言えたりします。

 

天然のみ使用という響きはいいですが、

それ故に、香り、費用、色味などのデメリットがあるということです。

 

お店でお香の販売を検討されている方にとっては、

結構大きな要素だと思われます。

 

天然を最初から理解しそういうものだとして

販売するならいいですが、

一般的なお香と変わりなく販売しようと思うと、難しいところがあります。

 

ちなみに、

化学的なものを使ったお香の方が売れます。

天然の方が売れません。(香木を除く)

理由は化学的なものの方が、香り的にわかりやすく強いからですね。

 

そういう商売としての観点も、

事前に知ってもらえればと思います。

 

ということでオーダーメイドを頼まれる際は、

今回の話しを理解していただき、お申し込み頂ければと思います。

 

いろいろ天然のお香で誤解があるので話してみました~

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